引継ぎなど仕事で必要なことを済ませて退職したら、保険や年金の切り替えの手続きが必要です。
すでに転職先が決まっていてすぐに入社するのであれば、手続きは会社がしてくれますが、入社日まで日数がある場合、まだ転職先が決まっていない場合は自分で手続きしなければなりません。
退職手続きで必要なやることリストを解説します。
保険や年金の手続きなんてしたことありませんよ。
初めは会社がやってくれるから知らん人も多いじゃろう。
面倒臭そうだけど、わかっておかないと困るので教えてください。
すぐに転職するかで手続きが違う
翌日に入社する場合
退職後の翌日、すぐに入社する場合は、転職先の会社に必要書類を提出すれば、すべての手続きを行ってくれます。自分で手続きをすることはとくにありません。
入社日まで日数がある場合
入社日まで1日でも間が空く場合は、自分で手続きを行わなければなりません。
すぐ行う必要があるのは失業保険の申請、それから健康保険や年金の切り替えの手続きを行うことになります。
それぞれの手続きで期限が決められているので、間に合うように早めに済ませてください。
退職手続きやることリスト
会社から必要書類を受け取る
会社を退職するとき、もしくは後日郵送で手続きに必要な書類を受け取ります。
- 離職票
- 失業保険の申請の際に必要になります。
健康保険の切り替えで配偶者の扶養に入る場合にも必要な書類です。
退職後、7~10日内に自宅に郵送されますが、転職先が決まっている場合は必要ありません。 - 雇用保険被保険者証
- 会社が作成した書類で転職先に提出します。
会社によっては入社の際に本人に渡すこともあります。
退職の際に手元になく紛失した場合は、ハローワークで再発行が可能です。 - 健康保険資格喪失証明書
- 健康保険の切り替えの際に必要になります。
会社に在職中、加入していた健康保険から脱退したことを証明する書類です。 - 年金手帳
- 会社に預けていた場合は返却してもらいます。
入社の際に年金番号を確認する必要があり、本来はその後、本人に渡すことになっています。
手元になければ、退職するときに会社に確認してください。 - 源泉徴収票
- 年度の途中で退職した場合、会社から郵送される書類で、1ヶ月以内に送られてくることが多いです。年末調整のときに必要な書類で、転職先に提出します。
12月31日まで転職先が決まらず、自分で確定申告をするときは必要になります。
他に厚生年金基金に加入していれば、厚生年金基金加入員証、年金や社会保険の切り替えで家族の扶養に入る場合は退職証明書などがあります。
結構ありますね。
心配せんでも会社が用意してくれるから大丈夫じゃよ。しかし、もらい忘れがないかチェックはしなきゃいかんぞ。
失業保険の申請
失業後、働く意志がある人が失業状態になったときに受給できるのが失業保険です。退職後に専業主婦になったり起業したりする人は受給できません。
自己都合の退職では、給付日数は90~150日です。申請から受給するまで早くても3ヶ月以上かかり、受給期限は退職日から1年間と期限が決められています。
申請が遅くなると給付日数が少なくなり、満額受給できないこともあるので、なるべく早く手続きを行ってください。
国民年金の切り替え
厚生年金に加入し入社日まで日数がある場合は、年金の切り替え手続きがあります。
「国民年金に加入する」か、「家族の社会保険の扶養に入る」の2つの方法から選びます。
扶養に入れば保険料を納めなくて良いので、被扶養者の条件を満たせばこちらを選ぶ人が多いでようです。
健康保険の切り替え
健康保険に加入し、入社日まで日数がある場合は健康保険の切り替え手続きも必要です。
次の3つの切り替え方法から選びます。
任意継続
これまで加入していた健康保険に継続して加入します。
上限は2年間で、会社が支払っていた分の保険料まで全額負担することが条件です。
任意継続被保険者制度について:厚生労働省保健局
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138071.pdf
国民健康保険に加入
市区町村役場で国民健康保険の加入手続きを行います。
前年の所得で保険料が決定するので、前年の所得が多いほど保険料の負担は大きくなります。
離職の理由によっては軽減制度を利用することが可能です。
国民健康保険制度の概要:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/kokumin_nenpou01.pdf
家族の社会保険に加入
実家暮らしで親が健康保険に加入している場合など、扶養家族として社会保険に加入することが可能です。
ただし、失業保険の受給額によっては扶養に入れないケースもあります。
任意継続か国民健康保険に入るか悩みますね。どっちがお得なんですか?
金額は人によって異なるんじゃよ。金額は計算してどっちが良いか判断せんとな。
計算はちょっと面倒です。
任意継続は退職日の翌日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出せんといかんから、悩んだらまず任意継続の手続きをしておいた方が良いの。
退職手続きやること一覧
続いて退職手続きで行うべきことを一覧で紹介します。
1.失業保険の申請
- ・期限
- 離職票が届き次第なるべく早く
- ・受付場所
- 管轄のハローワーク
- ・必要なもの
- 離職票1と2、雇用保険被保険者証、身分証明書、印鑑、写真2枚、本人名義の普通預金通帳
2.国民年金に加入
- ・期限
- 退職後14日以内
- ・受付場所
- 住所地の市区町村役場の国民年金窓口
- ・必要なもの
- 離職票または退職証明書、年金手帳、身分証明書、印鑑
3.家族の社会保険に加入
- ・期限
- なるべく早く
- ・受付場所
- 厚生年金に加入している家族の勤務先
- ・必要なもの
- 国民年金第3号被保険者該当届、源泉徴収票、退職証明書または離職票の写し。失業保険や年金受給者は受給金額の分かる書類の写し、被保険者と別姓の場合は世帯全員の住民票。
4.健康保険の切り替え
健康保険の切り替えは、任意継続、国民保険に加入、家族の社会保険に加入でそれぞれ違いますので、該当する箇所を確認してください。
任意継続する場合
- ・期限
- 退職後20日以内
- ・受付場所
- 退職した会社または健康保険組合で郵送受付も可
- ・必要なもの
- 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、住民票、1ヶ月分の保険料、印鑑
国民健康保険に加入
- ・期限
- 退職後14日以内
- ・受付場所
- 住所地の市区町村役場の国民健康保険窓口
- ・必要なもの
- 健康保険資格喪失証明書、各市区町村役場で指定された届出書、身分証明書、印鑑
家族の社会保険に加入
- ・期限
- なるべく早く
- ・受付場所
- 健康保険に加入している家族の勤務先
- ・必要なもの
- 健康保険被扶養者異動届、源泉徴収票、退職証明書または離職票の写し。失業保険や年金受給者は受給金額の分かる書類の写し、被保険者と別姓の場合は世帯全員の住民票。
-
弟子
ハローワークと役場と。いろいろ出かけなきゃ行けないですね。
ヤメ師範転職先が決まっている場合は、会社がやってくれるから楽じゃがのう。まぁ、行けば手続きはやってくれるから、キチンと書類さえ揃えれば心配なしじゃ。
まとめ
退職後の手続きは社会保険や年金、失業保険など安心して生活するためにとても大切なものです。
期限内に手続きをしないと十分お金がもらえなかったり、保険が使えなかったりします。
退職手続きやることリストをチェックして、必要な書類を揃え、自分がすることは余裕を持ってできるようにしてください。
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