退職当日はデスク周りの片付けや、会社の備品を返却するなどやるべきことは意外に多くあります。
終業時間になれば退職の挨拶もしなければなりません。
挨拶のときには職場の人にお菓子を配る光景がよく見られます。
退職時にお菓子を配るときのルールやマナーはあるのでしょうか?
確かに日本人は挨拶の折々にお菓子を配るイメージがあります。
置物のように後に残ってしまうものよりも、お菓子のような消え物のほうが相手の負担にもならんしの。しかし注意点もあるからしっかり覚えておくようにな。
退職時に菓子折りを持参するのはマナー?
お菓子を配ると挨拶がスムーズ
退職するときに必ずお菓子を配るわけではないですが、職場の慣例になっていることが少なくありません。
直接挨拶して回るのであれば、お菓子を配ると退職の挨拶がスムーズになるでしょう。
職場に迷惑をかけたお詫びと、お世話になったことへの感謝を示せます。お茶菓子であれば相手が負担に思うこともありません。
お互いが気持ちよく退職の日を迎え、円満退社ができるようにするのが目的です。
会社のルールによる
退職のときに菓子折りを持参しないとマナー違反ということではありません。
会社の決まりで配らないこともあります。
勤務中にお菓子を配る習慣がない職場もあり、自分がお菓子を配ると、その後に辞める人も持参しないといけない雰囲気になってしまうと困ります。
他に勤務形態がアルバイトや半年以内の派遣社員、時短パートなどで、業務上少人数としか関わりがなかった場合は配らなくても問題ありません。
自分の思い込みで用意するとルール違反だったりするかもですね。
そうじゃの。以前辞めて行った人たちを参考にしたり、勤務年数の長い人に聞いてみるといいじゃろう。
お菓子を配る範囲
中小企業の職場のケース
20人以下の中小企業の会社であれば、全員に配れるように用意した方が良いです。
あまり関わりがなかった人もいるかもしれませんが、お菓子を配る人と配らない人に分けると、渡されなかった人は気分が良くありません。
20人までならそれほど費用もかからないので、人数分用意した方が無難です。
大手企業の職場のケース
規模の大きな会社の場合、一般的には自分が勤務していた部署だけでOKですが、他の部署にも関わりがある場合、そちらの分も用意します。
部署全員分用意するのは予算的に大変なので、基本的に自分が所属していた部署と関わりのあった人に限定して渡すと考えてください。
お菓子を選ぶポイント
金額
あまり高価なお菓子だと渡した相手に負担になるので、1人100円程度が妥当です。
総額の予算を決めて配る人数で割る方法もあります。
20人までの職場であれば3千円前後の菓子折りで十分ですし、きちんと包装してもらえば見た目も良くなります。
個包装
お菓子は食べやすい個包装のものがおすすめです。
個包装されていない缶入りのクッキーなどは日持ちしないので、その場で食べなければなりませんし、退職日に休暇や出張中の人に渡すときにも困ります。
お菓子選びのセンスを気にするより、気配りが大事だと考えてください。
多少、人数が前後しても大丈夫なように多めに用意しておくと安心です。
賞味期限
基本は賞味期限が長い、日持ちがするものを選びましょう。
賞味期限が1~2日しかないと、忙しくて食べられない人や、休暇中の人が期限内に食べられない可能性があります。
なるべく長く日持ちするお菓子がおすすめです。
もし、賞味期限が短いものを選んだときはひと言添えるようにしてください。
避けたいお菓子
避けたいお菓子としては、切り分ける必要があるバームクーヘンなどです。
個包装でも激辛や濃い味付けで好みが分かれるもの、カレー風味などニオイが強いもの、硬い煎餅など食べると音がするもの、こういった仕事中に食べにくいものは避けた方が無難です。
焼き菓子や話題のスイーツ
焼き菓子は日持ちがするお菓子の定番です。
マカロン、ゴーフル、フィナンシェ、クッキーなど見た目におしゃれですし、個包装ですぐに食べられるメリットもあります。
女性が多い職場なら話題のスイーツを配る方法もあります。
予算がかかるかもしれませんが、職場で喜ばれて和やかな雰囲気になります。
最近は男性も会社でおやつを食べたりするそうですし、甘いお菓子は脳の働きにもよさそうですよね。
わしは煎餅の方がよいのう。濡れ煎餅なら音もせんし・・・ダメかのう。
ヤメ師範!会社のみんなが喜ぶものがいいんですから、わがまま言わないでください。
お菓子を配るタイミングと順番のマナー
最終出社日に配る
一般的には退職前の最後の出社日に配ります。
有給を消化する予定がある人は、必ずしも退職日とは限りません。
配るタイミングは朝礼後や終業前など会社によります。
職場の雰囲気によるので、これまでの慣例に習い、ケースバイケースで対応してください。
就業時間内は雑談できないような職場であれば、終業前に配る、定時で退社する人が多い職場なら、昼休みに配るなど工夫してください。
役職の順に配る
お菓子は役職の高い方から順番に配ります。
休暇中や終業時間が過ぎても戻らないときは、名前を書いたメッセージを添えて、お菓子を配ると良いでしょう。
お菓子を配る際の疑問点
のしはつけるべき?
自分で開けて配るなら、のし紙をする必要はありません。
一般の包装で大丈夫です。
メッセージは必要?
一人ひとりお菓子を渡すときに、メッセージを添えるとより相手に気持ちが伝わります。
特にお世話になっているなら、お手紙やメッセージカードを利用するのも一つの手です。
人数が多い場合は大変なので、「ありがとう」や「お世話になりました」などのシールを利用すると良いでしょう。
共有スペースに置いても大丈夫?
一人ひとりに挨拶する習慣がない職場や、これまでその配り方が慣例になっているなら、給湯室や共有スペースに置いてもOKです。
その際は自分の名前を書いて「お世話になりました。皆さんで召し上がってください」といったメモを付けておくと受け取りやすいです。
個別にプレゼントを渡したいときは?
特にお世話になった先輩や上司には、少し高価なものを個別に渡したいかもしれません。
そういうときはお菓子は他の人と同じように配り、個別にランチやお酒の席にお誘いするなどして、別の場所で渡すようにしてください。
これは他の方への配慮として必要です。
菓子折りを郵送で送っても大丈夫?
転職のタイミングの関係で菓子折りを渡せなかったので郵送で送りたいという場合があります。
基本的に菓子折りは以前の職場に感謝の気持ちを込めて渡すものですので、遅れても後日持参したほうが良いでしょう。
1. 前の職場にあまり行きたくない場合
もし前の職場にあまり行きたくないという場合は、あえて送らないほうが賢明です。
辞めるときは退職の挨拶のみで十分で、必ずしも菓子折りを渡す必要はありません。
菓子折りがなくても何とも思わない人がほとんどです。
しかし、菓子折りを郵送で送る場合、「挨拶に来ずに郵送で送るとは非常識だ」と考える方は少なからずいます。そう考えれば、あえて送る必要はないといえるでしょう。
2. 行きたい気持ちはあるが諸事情で行けない場合
前の職場に行きたい気持ちはあるけど、転職先が遠方で行きたくても行けないなどの場合は、職場に行けない明確な理由があるので郵送でも問題ありません。
ただし、お礼の手紙も同時に出すことを忘れないでください。
ちなみに、菓子折りにお礼の手紙をつけて送るのはマナー違反でもあり、厳密には法律違反です。
お菓子を配るだけでも案外注意点がありますね。
うむ。しかし菓子折りはお世話になった気持ちを伝える手段。難しく考えすぎず、受け取り側が喜んでくれそうな事を心がければ大丈夫じゃよ。
まとめ
お菓子はあくまでこれまでの感謝の気持ちを伝えるための手段です。
最終出社日はすることが多くてバタバタしがちですが、最後に気持ちよく職場を後にするためにも、菓子折りを用意すると良いでしょう。
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